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たった3隻しか居ない軽巡洋艦を1隻、失ってしまった・・・

その事実は鎮守府としても、俺の心にもかなりの痛手となる

また後ろから、睦月に抱きしめられた

そうか、第一艦隊は戻っていたのか

提督・・・報告書です・・・

磯波が、そっと報告書を渡してくる

ああ、ありがとう

以下、報告書まとめ

磯波・錬度23 雷装46 初雪・錬度16 雷装53 深雪・錬度22 雷装・47

睦月・錬度23 雷装30 白雪・錬度08 雷装35 如月・錬度20 雷装・32

報告書は見たが、その内容は頭に入ってこなかった

俺は、第一艦隊に補給を指示

1人になってから、声を殺し涙を零す

俺が、危険な二番艦を任せたから・・・

そんな後悔が、押し寄せてくる

しかし天龍なら、たとえ何番艦に居ようとも、仲間を庇ったかもしれないな

そんな事を考えていると、第二艦隊から通信が入る

北方泊地に帰還したとの報告だった

第二艦隊にも、補給を指示し

俺は、フラフラと任務報告に向かう

8回出撃せよ、任務達成だ

 

報酬と提督ポイントを少し貰う

​他に出来そうな任務は無い、第一執務室へと戻る

綾波に連絡を取り、天龍の遺体を鎮守府へ輸送するようにと指示を出す

通信を切り、天龍との今までを思い返していると、謎の人が執務室に入って来た

ふん、天龍が沈んで、アンタが意気消沈してるって聞いてね

 

笑いに来てあげたわよ

​そんな憎まれ口を叩いてくるが

 

今の俺には、言い返すだけの元気も無く

 

そうですか・・・

と答えるので精一杯だった

本当に落ち込んでるのね・・・私が1発気合を入れてあげましょうか?

そう言って、謎の人は拳をにぎりしめる・・・

え、ちょっと待って、優しく慰めてくれたりは・・・^^;

俺がそう言いかけた時には

しないわよ!# 

と言って殴られた、とても痛たいですTT

アンタ提督でしょうが、艦娘が1人2人沈んだ位で、いちいちしょげていないで

 

次に勝てる作戦を考えなさいな!

謎の人が厳しく言い放つ

​うう・・・はい・・・

俺が殴られた頭をさすりながら答えると

ま、まぁ、私達艦娘を大事に思ってくれる指揮官な事には

 

ありがたいと思うけどね

艦娘を使い捨てにする、提督も沢山いるって言うし

と、とにかく、元気出しなさい! 良いわね!

と言い残し、出て行く謎の人

随分乱暴だったが、慰めに来てくれたのだろうな

そう思いながら、俺は自室へと向かった

その途中で、敷波に出会う

どうしたんだ?

​俺が声を掛けると、敷波はこちらを振り向き

 

あぁ、司令官か、綾波がまた死にかけたって聞いてさ

 

ちょっと不安で眠れなくてね、散歩してた所だよ

言われて気が付く、そうか・・・もうそんな遅い時間だったんだな

 

どうやら自覚はしていなかったが

 

執務室でかなり呆然と、時間を過ごしてしまっていた様だ

 

そうだな、天龍が庇って無かったら

 

おそらく、死んでいたのは綾波だな・・・

俺は重い口を開き、拳を握り締める

 

そんな俺の様子を見て、敷波が近づきながら

 

私達駆逐艦はね、自分が戦闘で死ぬ覚悟は常にしているよ

でもね・・・仲間が死んでいくのは、やっぱり辛いんだよ

いつもと違う、静かなトーンで語る敷波の言葉に

 

今まで散っていった、多数の駆逐艦の娘達の顔が浮かぶ

 

本当に駆逐艦の子達は、どんな戦闘で沈む事になるのか判らない

 

その恐怖と覚悟は、俺などには想像も出来ないだろう

 

あぁ・・・そうだよな

そう答えるのが、精一杯だった

 

司令官、綾波の事ちゃんとお願いね・・・

そう言って、敷波は俺の顔を覗き込んで来る

わかっては・・・いる・・・死なせない様に、より努めるよ

その言葉の重みを受け止めながら、そう答えると

 

うん、ありがと

​彼女は満足した様な笑みを浮かべて、静かに立ち去っていった

その後、自室に戻り就寝となる

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