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今日で五十二日目か

頑張って行こう

着替えていると、綾波がやって来た

久しぶり過ぎて、感動する

​修理が終わって、帰還して来た所だと言う

久しぶりの綾波との会話だが、度重なる戦死者の事もあり

 

重苦しい足取りで工廠へと向かう

漣の志も継いでくれるか? 

 

俺が静かに、綾波に聞いてみると

はい、そのつもりです・・・綾波も静かに、そう答えた

俺は漣のパーツを取り出し、綾波に近代化改修を行う・・・

改修は成功した、きっと漣も・・・こうなる事を望んでいたのだろう

こうして、綾波は2人目の妹の意思を受け継いだ

 

その後、2人で第一執務室へと向かう

部屋に入ると、第一艦隊の5人は既に揃っていた

綾波を加えて、編成の見直しをする

旗艦 ・深雪 二番艦・綾波 三番艦・朧

四番艦・白雪 五番艦・望月 六番艦・磯波

新編成はこうなった、火力順だ

第二海域への出撃を命令する、昨日のエリートはまだ居るだろうか・・・

深雪は涙を堪えて、無理やり笑顔を作って

​5人を引き連れて、出撃して行った

その後、第二執務室へと向かう

部屋に入ると、第二艦隊も揃っていた

揃ってはいるのだが・・・非常にギスギスした空気が漂っている

まだ昨日の喧嘩が、尾を引いている様子だ

潮などは、今にも気絶しそうな顔をしている・・・大丈夫だろうか?

ともかく、今日も砲撃戦練習の命令を出す

6人は言葉少なく、部屋を出て行った

うーむ・・・編成変えた方が良いかな?

明日も改善されていない様なら、初春と不知火を別々に配置にしよう

俺は昨日の事もあったので、書類整理を急いで済ませて

 

第一艦隊の様子を、モニターで見守る事にした

モニターを付けると、丁度敵主力と遭遇した所の様だった

敵は、軽巡洋艦エリート1、雷巡洋艦2、駆逐艦2、昨日と同じ編成だ

何だか、悪い予感がする・・・

今日は反抗戦の様だ

*反抗戦とは・・・お互いの艦隊が、すれ違いになる様に、進みながらの戦闘で

 

双方共に命中率が悪くなります

深雪が、戦闘の火蓋を切る

 

雷巡洋艦に攻撃、命中はするが小破止まり

続けて綾波の攻撃、敵旗艦を狙うが

 

駆逐艦が間に入り、これを撃沈する

朧の攻撃、残る1隻の駆逐艦を狙うが

 

防御されてしまい、中破にするのが精一杯だった

ここで軽巡洋艦エリートの攻撃

 

深雪が被弾、中破に追い込まれてしまう

まずい流れだ、あの動きは昨日のエリートだな

続く雷巡洋艦の攻撃

 

こちらも望月が被弾し、小破となってしまう

​この敵の艦隊は、みな腕が良い様で射撃も正確だな

更に雷巡洋艦が攻撃を仕掛けてくるが

 

これは何とか、綾波が回避に成功した

白雪、望月、磯波の3人が連続攻撃を行うも

 

敵軽巡洋艦に、これを全て回避されてしまう

何と言う回避能力なんだ・・・3人がかりでかすりもしないなんて・・・

そして雷撃戦が、開始される

今回も、敵雷巡洋艦が2隻健在なため、魚雷の数が多い

ダメだ、これは回避しきれない・・・

朧が魚雷の直撃を受けてしまう!

くっ、だめだ、あれでは・・助からない・・・

朧「まぁ…駆逐艦…だから…ね…」

 

一方敵は、駆逐艦が1隻沈んだのみ

俺は急ぎ通信を入れる、撤退しろ!

白雪と磯波で、倒れている朧を運ぶ

しかし、今日も敵のエリートは追撃の構えだ

 

みんな、先行して撤退を開始して下さい!

綾波が敵を引き付ける為、1人で戦場に残る

そして綾波が、またあの鬼神の動きを見せる

​敵もその動きを見て追撃を諦め、綾波との戦闘に集中する構えだ

よくも・・・よくも妹を・・・絶対許さない! 

 

綾波が吼える

 

1対3だというのに、綾波は互角の戦いをして見せた

 

これには流石に、敵のエリートも驚いただろう

しかし綾波の弾薬は、もう殆んど残ってはいない筈だ

十分第一艦隊が距離を開けた所で、綾波にも撤退命令を出す

通信を切り、俺は机に腕を叩き付ける

くそっ! またしても、あのエリートの部隊にしてやられた・・・

苦い敗北の味を、噛み締める

​朧を・・・また、綾波の妹を失わせてしまった・・・

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