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四十二日目、早朝

昨夜は眠れなかった、どうせ眠れないならと、まだ暗いうちから動き出す

俺は重い体と心を引きづるように、第一執務室へと向かう

部屋には誰も居ない、まぁ・・・この時間では当たり前か

みんなも、ショックで眠れぬ夜を送っているのかな・・・

俺は任務を受けに行く事にした

近代化改修を2回行え、という任務を受領する

その後、工廠へと向かう

途中の港エリアで、まだ朝といっても薄暗いというのに

 

ライトを持って1人訓練に励む綾波を見つけた

俺に気が付いた綾波が

 

こちらへとやって来て

 

体を動かしていた方が、心が楽なので・・・

彼女はそう言ったが

 

もうかなり長い時間訓練をしていた様子で、肩で息をしている

 

目の前で妹を失った綾波の方が、俺よりずっと辛い筈なのに

それでも彼女は、前を向いて進もうとしているのだろう

俺は綾波に、一緒について来る様に指示をして

工廠へと歩き出した

2人で工廠に着くと、俺は綾波に

潮の魂を引き継いで戦ってくれるか? と聞いてみた

綾波は暫らく黙っていたが、やがて決意を固めて

 

はい・・・と短く答えた

潮のパーツを使って、綾波に近代化改修を行う

​姉妹艦だから相性が良いのか

 

潮の意思なのかは判らないが、改修は問題なく成功した

これからは、潮ちゃんの分まで戦うからね・・・

 

綾波が小さく、そんな事を呟くのが聞こえた

改修が終わり、2人で第一執務室へ向かう

まだ誰も来ていなかったので

 

綾波に呼んで来てくれる様に頼む

彼女が部屋を出た後

 

海上護衛をしている朧を、通信で呼び出す

暫らくすると、5人になってしまった第一艦隊と、朧が部屋に入って来た

第一艦隊の5人は目が腫れている、それもしかたのない事だろう・・・

俺は潮の配属していた、第一艦隊四番艦に朧を編成した

今日は、休ませようかとも思ったが

 

綾波の言っていた様に、体を動かしていた方が良いのかもしれない

迷っていると、漣が声を掛けてきた

御主人様、漣の装備には1つ空きがあります

 

良ければ潮ちゃんの使っていた主砲を

 

漣に装備させてくれませんか?

潮ちゃんと、これからも戦っていたいので・・・

堪えきれずに、涙をこぼしながら言う漣

 

そうか、彼女も潮の姉妹だものな

俺は了承して、漣をお着替え室に連れて行き、換装を行った

2人で第一司令室に戻り、第二海域へ出撃を命令した

彼女達はみな、悲しみを乗り越えて戦おうとしている

それなら提督として、その希望に答えよう

そう思ったからだ

それぞれの思いを胸に、彼女達は出撃して行く・・・

それから暫らくして、通信が入る

睦月から、遠征から帰還したとの報告だ

俺は、第二執務室へと向かう事にする

今日は長い1日になりそうだ、少し休憩していこう​

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