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暫らくして、気持ちを落ち着ける

まだやる事がある

俺は足取り重く、第二執務室へと向かう

部屋には、吹雪だけが居た

話しを聞くと、初春と不知火が喧嘩をして

 

みんな重い空気に耐えられず、自室へ戻ってしまったとの事だ

やれやれ・・・

とにかく、吹雪から報告書を受け取る

以下、報告書まとめ

吹雪・錬度06 潮・錬度06 初春・錬度04

不知火・錬度03 曙・錬度02 敷波・錬度02

吹雪の報告書も普通だった、ほっとする

吹雪には、みんなで補給をして喧嘩した2人を、なだめるように指示を出す

吹雪は自信なさげに、やってみます・・・と言って出て行く

吹雪には苦労人の相が見えるな、きっと俺の仲間だろう

その後、第一艦隊を迎えるべく、港エリアに向かう

港に着いて暫らくすると、第一艦隊が戻って来た

みんなで、電を工廠へと運ぶ

光の結晶となっていく、電を見て白雪が

悲しいけれど、とても綺麗ですね・・・と口ごもる

​パーツになった電から、装備を外し大切に保管する

彼女の姉妹は我が鎮守府には居ない、誰に彼女の想いを受け継がせよう・・

みんな口数少なく、工廠を後にした

その後、補給を済ませてから

 

傷ついた、白雪と望月を入渠させる

望月「うあぁーマジめんどくせぇー!寝るよー」

​あぁ、ゆっくり休んでくれ・・・

その後、自室へと向かう

その途中で不知火と会った

うわぁ・・・相変わらず、おっかないなぁ^^;

しかし喧嘩の件もあるので、それとなく注意したほうが良いのだろうか?

そう思い、不知火を呼び止める

不知火「不知火に何か御用ですか?」

いや・・その・・初春と喧嘩したと聞いて・・・

だめだ、つい腰が引けてしまう

不知火は、超怖い目で睨んでくる

出来ればその・・仲良くしてもらいたいな・・と

不知火「何でしょうか?不知火に落ち度でも?」

いえ・・・何でもありません・・・

だめだ、逃げよう・・・

俺はその場から逃げ出した

​建物から外に出ると、辺りはもうすっかり暗くなっていた

自室へと歩いている内に、雨まで降り出す

沈んでいた気持ちが、さらに重くなる気がするな

途中の港エリアで、誰かが居るのを見つける

こんな暗い雨の中、どうしたのだろうと近寄ってみると

​深雪が手にした傘もささずに、たたずんでいた

きっと電の事が、ショックだったのだろう

​大丈夫か? と声をかけると

あぁ・・司令官・・・少し電の事を考えていたんだ

そう言って、うつむく深雪

 

仲良さそうだったものな

今朝の2人を思い出しながら、そう言うと

​ん・・・あれは違うんだよ

 

電が船だった時の記憶で、引け目を感じていたみたいだったから

気にしなくて良い様に、色々とね・・・

そう説明して、拳を硬く握りしめる深雪

 

そうだったのか、船だった時に何があったんだ?

おそるおそる聞いてみる

 

練習中にさ、電と衝突して沈んじゃったんだよ、深雪様ともあろうものがさ

だけど今はこうして、一緒に戦えるんだから、気にするなよって

言ってたのに・・・今度は電が先に逝っちまうなんてさ・・・

言いながら、肩を震わせる深雪

そんな彼女の肩に、そっと手をかける

ん、大丈夫、深雪様はこれ位でへこたれないぜ

これからは、あの時とは逆に電の分まで戦うからさ・・・

だから、ガンガン戦わせてくれよな!

必死に涙を堪えた悲しい笑みで振り返り、深雪は寄宿舎の方向に消えて行った

​俺も、自室へ戻ろう・・・

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