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俺が落ち着きを、取り戻した頃

第二艦隊が、帰還して来た

深雪「お疲れ様ぁ、司令官!」

 

今日も深雪は、ハイテンションに挨拶してくる

 

深雪から、報告書を受け取る

以下、報告書まとめ

今日も敵主力発見だぜ! 深雪様は運も持ってるねb

もちろん、ばっちり撃破しといたぜ!

MVPは吹雪だ、あいつ新人のくせにやるなぁ!

全員無傷だぜb すごいだろ?

艦娘のパーツも1つ拾っといたぜ!

深雪様は絶好調! 誰も疲れてないみたいだぜ!

なるほど・・・

今日だけは、このハイテンション報告書に、少し救われた気がする

俺は、ご苦労だった、と言葉少なく答え

補給をしてくる様に、指示を出した

暫らくして、電にもう一度、通信をすると

通信に出た電は泣いていた

それも仕方のない事だろう

最期に漣は、電を庇って死んだのだから・・・

 

俺は、これから伝える内容を考えて気が重くなった

しかし伝えなければならない、覚悟を決めよう

漣の遺体を、鎮守府に輸送する様に命令を出す

結晶化を行い、パーツとする為だ

​予想通り電は、更に激しく泣き出してしまう

私・・・私のせいで・・・漣さんは・・・

そう言って、号泣しだしてしまう

 

そんな事は無いよ、漣は彼女のやるべき事を果たしただけなんだ・・・

 

誰も電のせいだとは、思っていないから

 

だからどうか自分を責める様な事は、しないでくれ・・・

 

そう慰めたが、それでも彼女の涙は止められなかった

 

それ以上どう言えば良いのか判らない俺は

 

電が泣き止むまで、じっと待つ事にした

やがてかなりの時間が過ぎ、ようやく電の涙も枯れ果てた頃

 

輸送任務了解なのです、と電は短く答えた

そして続けて、電が報告し忘れていた事が・・・と言いだす

話しを聞くと、あの戦闘の後、艦娘のパーツを1つ拾っていたらしい

​ひっく・・ひっく・・・と

 

しゃっくりをしながら、話す電の報告を聞いて

それも鎮守府に送るように、指示を出し

電には、今夜はもうゆっくりと休む様に伝えて、通信を終えた

俺は足取り重く、自室へと戻る

明日も北方で、戦わなければならないだろう

漣の変わりに誰を、死地に向かわせるのか・・・考えただけで気が重い

この戦いが終わるまでに、あと何人の娘達が犠牲になるんだろう

​そんな、ネガティブな考えばかりが頭に浮かぶ

こんな事ではダメだな、明日も厳しい戦いが待っているんだ

しっかりと指示が出せる様に、俺も休んでおかなくては・・・

​そう思いつつも、眠れぬ夜を過ごすのであった

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